2013年3月21日木曜日

第二回路地ゼミ13.03.20議事録

第二回路地ゼミ風景
3月20日に第二回路地ゼミを開催しました。
出席者12名。前半、入江教授にも御出席いただき、路地ゼミの主旨についてお話いただきました。
当日の午前中には、神楽坂にて、神楽坂商店街を軸とした15の路地に対してのフィールドワークを行いました。この件についてはいずれ別のログで詳述します。
今回新たに各自が持ち寄った路地の写真についての発表を行い、それも含めた約500枚の路地の写真を用いて、いくつかのグループに分かれて、路地の分類・整理の仕方について議論しました。
ディスカッション風景
今回のゼミの中で根底にあったのは、「路地」とは近代以降の意識の変革の中ではじめて発見された「認識の方法」であり、現象としては中世や近世にも存在したが、それは私たちが現在認識している様な「路地」というものではなかったのではないか。そしてまた「路地」は、家父長制であったり権威主義的であったりする社会からはなれた、主権在民の社会における「認識の方法」であり、私たちはそれを収集し区分け、整理していくことに依ってはじめて無形の「路地」を発見する事が出来るのではないかということであった様に思います。
その前提において、今回わかれた3つのグループはそれぞれ、路地を形成する「時間」の問題、認識の「ずれ」の問題、前景としての「パラメーター」の問題に着目し、区分けを行い、発表しました。各グループのプレゼンテーションについては後ほど別のログで紹介します。
「時間」グループ発表
「時間」のグループは、それぞれの路地の中にある時間を抽出する事で、その帯時性の程度による分類を行いました。
「ずれ」グループ発表
「ずれ」のグループは、観察者と生活者の中にある認識のずれに焦点を当てて、その程度による分布と特徴を抽出する方法をとりました。
「パラメーター」グループ発表
 「パラメーター」のグループは、その路地の構成要素を言語化しようとする過程で、まず初歩的ないくつかのパラメーターによって整理する必要があるのではないかという事を発見しました。

いずれのグループいおいても、私たちが半ば感覚的に「路地」と呼んでいるものを、どのように認識し評価していくかといった問題を取り扱っており、今回見つけたテーマを深化していく中で、一人一人が各様のテーマで路地を論ずる事が出来るようになることがひとまずの目標である様に感じました。
また、バルセロナからの留学生のマルタの言った、抽象的なものと具象的なものを同時に議論した点が第一回のゼミにおいて優れていたことであり、その視点を忘れてはいけないということ。私たちはあくまで建築をデザインするものであり、その視点を忘れてはいけない、ということが最も印象に残りました。
今後も、こういった議論を通して、「路地」とはなにかといったことを追求していけたらと思います。

文責:早田 大高

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